介護施設に入る前に知っておきたいことは?



当事務所は、2023年から、高齢者支援に本格的に取り組み、2026年で4年目になります。

 

これまでの3年間には、ご依頼者の希望に沿って、地域の各介護保険施設のご案内から見学会等への参加の送迎、施設入居に関する費用など、施設側の契約内容の説明や、当該施設で、受けることが可能な各サービスについて、わかりやすくお伝えし、どの施設が合っているかなど、ご親族を含めて、決定に至るまで、きめ細かい対応をさせて頂きました。

 

直近、3年間の経験から、介護施設の契約・入居から、施設での生活及び各サービス状況、加えて、病院への付添や送り迎え、夜間の緊急対応や救急搬送、介護保険の区分変更(要支援から要介護)手続きに係る申請者(ご本人)の意向把握など、介護施設(介護事業者)を取り巻く様々な問題・課題が少なくなく、介護施設事業者等との折衝・調整など、多くの貴重な経験を得られたところです。

 

そこで、この経験から、当所ホームページに、R8年1月より、新たに「高齢者支援」専用サイトを設けていきます。

 

医療制度と介護保険制度の仕組みや、介護施設の入居を検討する前に知っておきたい注意点など、当所ホームページとブログにより、お知らせさせて頂きます。

 

今回は、その中でも、「介護施設に入る前に知っておきたいこと」について、ブログにて、ご紹介します。 


70歳代前半は、体調の波や通院が増え始める一方で、「まだ施設は先」と感じやすい時期です。しかしながら、実務上は、75歳で医療保険が切り替わり、介護は「要支援→要介護」で使えるサービスが変わります。ここを先に押さえておくと、介護保険を利用せざる得ない時の手続きと出費について、あらかじめ計画が立てられます。

 

(1) 75歳で“自動的に”「後期高齢者医療制度」へ切り替わる

 

後期高齢者医療制度は、原則として、75歳の誕生日当日から被保険者になります(届出不要)。65~74歳でも一定の障害で認定を受けると対象になります。切り替わると、これまで加入していた国保や会社の健康保険(扶養を含む)の資格は基本的に喪失します。家族が扶養に入っていた場合などは、家族側の保険の切替が必要になることがあります。 

 

窓口負担は「年齢×所得」で決まる

 

目安として、70~74歳は原則2割(現役並み所得者は3割)。75歳以上は原則1割で、一定以上所得は2割、現役並み所得は3割です。
※2割負担の方の“負担増を月3,000円まで抑える配慮措置”は、2025年9月30日で終了しています。今後は高額療養費制度の上限で調整されます。負担割合は自治体からの通知(またはマイナ保険証の資格情報)で確認が必要です。

 

保険証の提示は「マイナ保険証」か「資格確認書」へ

 

従来の健康保険証は2024年12月2日以降新規発行されず、有効期限は最長で2025年12月1日までとされています。以後は、「マイナ保険証」、または、「資格確認書」で受診します。さらに後期高齢者医療の被保険者は、暫定的に2026年7月末まで、マイナ保険証の保有状況にかかわらず資格確認書が申請なしで交付される運用です。

(“持っていないと受診できない”状態になりにくいよう配慮されています)。

 

保険料の納め方は「年金天引き」になる(例外あり)

 

後期高齢者医療保険料は、年金受給額が一定以上(年額18万円以上)などの条件を満たすと、原則として年金からの天引き(特別徴収)で納めます。一方で、75歳到達の年度は普通徴収(口座振替・納付書)になるケースもあり、開始時期は自治体からの通知で確認が必要です。なお、国保→後期へ切り替わる月は“月割り”で計算され、二重に賦課されない仕組みです。

 

(2) 「要支援」から「要介護」になると何が変わる?

 

介護保険は65歳以上であれば、原因を問わず、要支援・要介護の認定を受けてサービス利用ができます。要支援は「日常生活に支援が必要で、介護予防が効果的な状態」、要介護は「寝たきりや認知症などで常時介護を必要とする状態」を想定した区分です。途中でも区分変更もできます。

 

認定の有効期間中でも、状態が変化した場合は、区分変更(要介護度の見直し)の申請ができます。申請後は、改めて、認定調査と主治医意見書等を踏まえて判定されます。「最近急に歩けなくなった」「転倒が増えた」など、サービス量が足りない時は、相談が必要です。

 

使えるサービスの広がりと、ケアの体制

 

要介護になると、在宅の支援に加えて、施設サービスも選択肢に入りやすくなります。たとえば、特別養護老人ホームは原則要介護3以上が新規入所の対象です。また、要支援の相談窓口としては地域包括支援センターが中核で、介護予防や生活支援につなげます。

 

要介護になると(居宅の場合)ケアマネジャーが中心となってケアプランを作り、サービス調整がより“介護前提”に組み直されます。 

 

(3) 医療費・介護費が重なった時の「上限」と「軽減策」

 

高額療養費制度は、年齢や所得に応じて医療費の自己負担に月ごとの上限があります。介護にも、1~3割負担の合計が一定額を超えると払い戻される高額介護サービス費があります。さらに医療と介護の自己負担を1年分合算して負担を抑える制度(高額医療・高額介護合算)もあります。知らないと“払い過ぎ”になりやすいので、申請要件だけは確認しておきましょう。

 

(4) 施設入所を考えるなら「食費・居住費」の扱いも

 

介護保険施設やショートステイでは、食費・居住費(滞在費)は原則自己負担です。ただし、所得・資産が一定以下の方は、申請により負担を軽減する補足給付(特定入所者介護サービス費)が用意されています。入所を検討し始めた段階で、市区町村に「負担限度額認定」の要否を確認しておくと安心です。

 

(5) 70~74歳の今、やっておくと安心な準備

  • 受診時の提示物:マイナ保険証の利用登録状況/資格確認書の保管場所

  • 介護の相談先:地域包括支援センター(早めの相談が有効)

  • 体調変化の記録:転倒回数、歩行距離、通院頻度、服薬リスト(区分変更の説明材料になる)

  • “家族の保険”の影響:75歳到達で扶養の扱いが変わらないか確認

 

制度は全国共通の枠組みですが、手続きの窓口や通知時期は自治体・保険者で差があります。

ご相談は、やまと総合法務事務所まで、お気軽に、どうぞ。

 


【徒然のひとこと】 


介護施設等の入居に関わる手続きの中に、「身元保証人」が必須であることは、ご存じでしょうか。

 

身元保証人は、子どもや兄弟姉妹に依頼すれば、「引き受けてもらえる」とお考えの方が大半ですが、現実には、施設によって異なりますが、「身元引受人」は、日常の生活・健康支援に加えて、病院への送迎や付添い、主治医とのやり取り、入退所・入退院の手配、費用の立替払い、緊急連絡の対応など、施設から30分以内に駆け付けられる所に、常時、待機で対応可能な状態でないと、身元保証人の役割は、果たすことができません。

  

当事務所では、身元保証サービスを契約により。下記の内容にて、ご提供しております。

 

➀ 入退院・転院の支援

➁ 施設入居の支援

➂ 日常生活支援

④ 施設内の契約等の確認支援

⑤ ご親族との連絡調整

⑥ ご自宅の管理等

 

高齢者支援につきまして、お気軽に、ご相談ください。