農地の雑草、どうすればいい?



・・5月・・これから、農地では、雑草との戦いが始まります。

 

農作物の作付・栽培においては、作物の種まき・定植・植付けが行われる、この5月から、作物の生育以上に、気温の上昇とともに、雑草の成長が旺盛となり、雑草が増幅し、毎年、雑草の除去に、多大な労力をかけて、日々、雑草と向き合っています。

 

特に、6月~7月の雑草を放置すると、8月以降、手が付けれない「雑草ゲリラ」となって、農作物の生育を阻害します。

 

その年の雑草を除去しても、雑草は子孫繁栄させるべく種を育て、いったんは冬に枯れてしまいますが、翌年、翌々年と、さらに繁殖力を増して、大切な農作物を覆いつぶすように、畑を雑草で占有してしまいます。

 

農作物の生育を阻害する状況は、以下があります。

 

(1) 農作物以上に、土の養分や水分を吸い取る

 

(2) その雑草が生い茂ることで、農作物に日が当たらない状況になる

 

(3) 雑草が害虫や病原菌の温床になるなど、農作物の生育・収穫に大きな影響を及ぼし、加えて、ほ場(農地)管理状況・近隣のほ場や環境にも、大きな影響が生じていきます。 

 


まずは、雑草の種類について、一年草と多年草など、様々な種類があります。

 

◆ 一年生雑草とは、毎年、新しい種子によって発生する雑草のことで、春に発芽し秋に枯れる雑草と、秋に発芽して越冬し、春から夏に枯れる越年草の1年生雑草があります。

 

これら雑草は、季節になると大量の種子を残すため、翌年以降のためにも、種子をつける前に除去することが重要です。

 

夏草には、オシヒバ、メシヒバ、カヤツリグサ、スベリヒユ、ホトケノザ、アカザ、エノコログサなど、多種の雑草があります。

冬草には、スズメノテッポウ、ハコベ、ナズナなど、多種の雑草があります。

 

◆多様生雑草とは、種子で発芽後、地上部は一旦枯れますが地下部が生き残り、翌年に再生する宿根草の雑草です。

多くは、種子で繁殖し、根づいて宿根草となりますが、地下茎が伸びて繁殖するものもあります。

 

種類は、スギナ、オオバコ、クローバー、チガヤ、ギンギン、ヨモギなど、こちらも多種の雑草があります。 

  



それでは、これらの雑草に対して、どうすれば、除去できるでしょうか。

 

雑草対策には、基本の3つを組み合わせて、畑と畑の周辺管理を徹底することが最大の予防策です。

 

(1) 雑草を刈り取る、根を抜き取ることで除去する

 

(2) 除草剤で枯らす、または、成長を阻害する

 

(3) マルチング(ビニールマルチ、敷き藁など)

 

上記の対策の具体的な方法について、見てみましょう。

 

(1)の「草刈り、抜き取りの作業で物理的に除去する」

 

作業時期は、成長時期より前にすることが重要です。畝立て後に、発芽したばかりの小さな雑草が多い状況では、鍬や管理機などで土寄せ作業をしながら除草するのがポイントです。

 

土際で刈る機械での草刈りは、畦はんや畑の周辺には有効ですが、根が残ってしまうため、再生も早いので、何度も草刈りを行うことになります。

 

このため、畑の中では、できるだけ根を抜くことで再生を防止し、種をつける前に除去することが必要となります。

 

(2)の「除草剤の種類と活用」 

 

除草剤は、ほ場条件や栽培している作物によって、薬剤の種類や使用方法を適切に選ぶことによって、効率的・効果的に雑草を駆除できます。

 

除草剤には、あらゆる植物を枯らす「非選択性除草剤」(非農耕地用除草剤)と、対象の種類の植物のみを枯らす「選択性除草剤」があります。

 

「非選択性の除草剤」の中で、安全性が高いとされている「グリホサート剤(ラウンドアップ)」や「グリホシート剤(バスタ)」は、散布液を雑草に吸収させ、根まで枯らす浸透移行性があり、多年草やイネ科の雑草などに効果的です。

 

 「選択制除草剤」は、雑草と作物の感受性の違いを利用して、雑草は枯らし、作物へ影響しない除草剤です。

 

例として、水田除草に使用される除草剤は、イネ科の生育には影響しませんが、ノビエや広葉雑草は枯らします。逆に、豆類やイモ類などの広葉作物に混在するイネ科雑草だけを枯らす除草剤もあります。

 

(3)の「マルチング(ビニールマルチ)」

 

マルチングは、ビニールマルチが主流です。雑草対策では、夏場の温度が上がりすぎる難点はありますが、黒マルチが効果的です。

 

マルチをしても、日光が遮断きない作物の植付穴や畝間からの雑草の除去は、発芽直後の小さな雑草の時期に必要となります。

 

大きなほ場の場合には、マルチ張り機や、土壌表層処理剤(細粒)を畝の表面に散布する薬剤散布機などは、トラクターや管理機に取り付け、省力化・効率化しての除草を徹底することをおすすめします。

 

以上、まとめると、雑草対策は、以下となります。

 

1 雑草対策の3つの基本の徹底

 

2 種を残さない

 

3 多年草は初期段階で除去する

 

雑草対策には、日々、向き合って、農作物の生育を見守り、雑草の除去を徹底しましょう! 

 

特に、5月・6月の雑草の初期段階の雑草対策がポイントとなります。

 

暑さの中、大変な労力ですが、適切な雑草対策を講じ、農作物の生育・収穫を成し遂げましょう! 

 


【徒然のひとこと】 


 

「農地の雑草対策」において、厄介な雑草との戦い方は、農業者の共通の難作業です。

 

草刈り機、除草剤、除草シート張り、管理機、多様なモアなどを用いた雑草の除去作業は、労力も費用もかかり、毎年、手作業が中心の雑草対策は、農作物の植付・生育・収穫より、疲労困憊となる厳しい農作業になっています。 

 

最新型の草刈り機などの導入も検討しているものの、小規模な農業者では、これらの草刈り機が高額であり、購入できない状況が少なくありません。

 

雑草対策を「楽にしたい」と、最小限の費用対効果の対策を講じているが、効果がイマイチの状況が多いのではないでしょうか。

 

やまと農園では、本年から、日光を遮断する高額な除草シート張りと土壌表層処理剤の使用で、労力を軽減する除草対策を実施することとしています。 

 

当事務所の農業支援では、営農に関わる有益な情報などをご提供し、収益性の高い営農を実現するために、お力添えをさせて頂いております。

 

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