民泊、なぜ伸びない?

訪日外国人旅行者数が3,000万人突破目前なのに、なぜ、民泊は伸びない?


   民泊新法がスタートして、12月15日で6ヵ月が経過しました。

 

   今年1年の訪日外国人の増加し続けており、初の3,000万人の突破も確実な状況であり、これを背景とした新しいビジネスが他分野で展開が広がってます。

 

    一方、民泊の届け出数の伸びは、緩やかな微増で推移してます。H30.11月末時点での届け出数は、11,000件(全国)、12月末時点で13,000件(全国)と、施行当初の半数程度の届け出数しか、見込まれていません。

   なぜ、届け出数が伸びないのでしょうか?

   微増・停滞の要因の一つに、営業日数が年間180日の上限以外に、届出内容を審査する自治体の事前相談から始まる慎重な手続きに加え、手続きの繁雑さも、その一因にあると言われてます。


   観光庁は、H30.11.22に「住宅宿泊事業の届出に係る実態調査結果の公表」をしてます。これによりますと、法令にない不適切な事例(事前相談が必須であると誤解をあたえる案内など)が回答の半数の自治体で行われている実態は、驚きです。

   また、届出書類の提出について、9割の自治体で法令に規定されていない独自の書類の提出(条例やガイドラインで定めている自治体もあるが、根拠なしの自治体もあり)を求めている実態も公表されてます。加えて、現地確認のための現地調査を実施している自治体もあるなど、観光庁等関係省庁は、関連法に基づく適正な運用を呼びかけています。


   なぜ、手続きが煩雑なのでしょうか?

   一般の住宅に観光客(外国人)が出入りする民泊で起こる周辺住民とのトラブルについて、未然に防止したい自治体の不安感が必要以上な過剰な手続きになってるようです。住宅宿泊事業法の趣旨は、健全な民泊の普及を図るため、届出制として、届出事項や添付書類については、事業者や物件の特定に必要な事項などに限っているところですが、観光庁は、やりすぎれば、行政手続法に違反する可能性もあると自治体に通知し、法令に基づく適正な運用を促しているところです。


徒然のひとこと

 2020年には、目標の年間4,000万人の訪日外国人旅行者の見込みが確実な状況であり、地域によっては、旅館業法での宿泊施設での対応では困難な状況となることから、適正な運用で「民泊」の届け出を促し、必要数の民泊の整備・確保が喫緊な状況です。