建築基準法の改正




★国土交通省では、7月23日より全国4都市において、6月27日に公布された「建築基準法の一部を改正する法律」に関する説明会(第1弾)を開催します。今回は、公布後3ヶ月以内に施行する内容を中心に説明します。



【建築基準法の一部を改正する法律案】

(審議経過)

<議案提出者:内閣(国土交通省)提出>

・参議院議案受理年月日:H30.3.6

・参議院可決:H30.4.11

・衆議院議案受理年月日:H30.4.11

衆議院:H30.6.20 可決・成立、H30.6.27 公布



【法案の提出理由】

   最近における建築物をめぐる状況に鑑み、より合理的かつ実効的な建築規制制度を構築するために、木造建築物の耐火性能に係る制限の合理化、建築物の用途制限に係る特例許可手続の簡素化、維持保全に関する計画等を作成すべき構築物の範囲の拡大等の措置を講じる必要がある。




【主な改正内容の一つ】

(1) 建築確認を要しない特殊建築物の範囲の拡大(法第6条第1項)

➡法別表第一(い)欄の特殊建築物:(二)「病院、療養所、ホテル、旅館、共同住宅(※)等」(四)「百貨店、マーケット等」が分類(※戸建住宅、事務所は特殊建築物に含まれない)されており、現行法では、延床面積が100㎡を超える特殊建築物は「確認申請」が必要となってますが、改正案では、200㎡を超える場合に「確認申請」が必要とされてます。

➡ ※印「共同住宅」に改正案では、「共同住宅若しくは老人ホーム等」が加わってます。


(2) 耐火建築物等としなければならない特殊建築物の対象の合理化(法第27条第1項)

➡法別表第一(ろ)欄に掲げる階で(い)欄の(一)項から(四)項の特殊建築物は、現行法では、3階以上の階を要する特殊建築物は、「耐火建築物でなければならない」となってますが、改正案では、階数が三で、延べ面積が200㎡未満は除かれてます


◆ 上記の(1)及び(2)は、この改正の目的の一つである「既存建築ストックの活用」を促す措置です。

   これは、空き家等を福祉施設・宿泊施設(簡易宿所含む)・商業施設等に用途変更する場合、大規模な改修工事を不要とするとともに、手続を合理化し、既存建築ストックの利活用を促進させるためです。

★ 具体的には、戸建住宅(延べ面積200㎡未満かつ階数3以下)を福祉施設や宿泊施設等にする場合に、在館者が迅速に避難できる措置を講じることを前提に、耐火建築物とすることを不要にするものです。

★ 加えて、用途変更に伴って、建築確認申請が必要となる規模の見直し(100㎡➡200㎡)です。



(参考資料:No.1)

(国土交通省:建築基準法制度概要集(H29.10月))
(国土交通省:建築基準法制度概要集(H29.10月))

(参考資料:No.2)

(国土交通省:建築基準法制度概要集(H29.10月))
(国土交通省:建築基準法制度概要集(H29.10月))

【徒然やまとコラム】

   現行の建築基準法では、宿泊施設(ホテル、旅館、簡易宿所等)を3階以上の階に設置する場合は、建物を通常よりも高い防火性能を有する「耐火建築物」とする必要があります。

   しかし、木造の既存住宅3階建ては、「耐火建築物ではない戸建住宅」が少なくありません。

   このため、現時点では、戸建住宅で旅館業(簡易宿所営業)の許可を得ようとしても、「耐火建築物」でないことにより、3階部分は宿泊の用に供することができず、旅館業の許可申請はできません。


   今回の建築基準法の改正案では、延べ面積が200㎡未満の3階建ての宿泊施設については、一定の基準を満たす警報設備の設置を条件に、耐火建築物でなくても用途変更が可能とする措置となってます。

   この改正法律案が、開催中の国会(衆議院)で可決・成立すれば、これまで建築基準法の「耐火建築物」の規定により、できなかった既存の木造3階建ての戸建住宅において、旅館業(簡易宿所、旅館等)の許可申請が可能となります。


   この措置により、全国的に急増している「空き家」の用途変更等による利活用が促され、空き家対策と民泊をはじめとする旅館業等による地域産業の活性化につながることを期待してます。