なぜか、東京一極集中が加速しています!


新宿駅南口 (夜景)
新宿駅南口 (夜景)

令和3年6月25日に、2020年国勢調査の人口速報値が総務省から公表されました。

 

2020年10月1日現在の外国人を含む日本の総人口は、1億2,622万6,568人で、前回の5年前の調査と比べ86万8,000人(0.7%)の減少となったところです。前回調査に続いての減少ですが、減少幅は縮小したとのことです。

 

総務省によると、減少幅の縮小の要因は、「死亡者数が出生者数を上回る自然減の数は、前回よりはさらに増加したものの、日本で生活する外国人の大幅増加のほか、新型コロナウイルスの影響で海外から帰国した日本人が多かった結果と考えられる」と説明しています。

 

総人口のうち、男性が6,136万14人(48%)、女性が6,486万6,500人(52%)となってます。

 

都道府県別では、人口増加は9都府県(東京圏の1都3県(東京、千葉、埼玉、神奈川)と愛知、滋賀、大阪、福岡、沖縄)です。

 

一方、人口減少は38道府県で、減少率が最も高かったのは秋田県で6.2%、県人口が100万人を下回った県は10県と増加してます。

 

この結果、東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の人口は、3,693万9,000人と、全国の29.3%を占めています。これは、5年前と比べ、80万人増加しています。

 

その中で、東京都の増加率は4.1%と最も高く、1,400万人を超え、1,406万4,696人となり、東京一極集中が加速しています。

 

コロナ禍の中でも、なぜ、「東京一極集中」が加速するのでしょうか? 

 


総務省 報道資料(R3.6.25)より
総務省 報道資料(R3.6.25)より

総務省 報道資料(R3.6.25)より
総務省 報道資料(R3.6.25)より

総務省 報道資料(R3.6.25)より
総務省 報道資料(R3.6.25)より

新型コロナウイルスにより、昨年の夏以降、5ヵ月連続で、東京から他県への流出が続きました。

 

今年1月の首相による施政方針演説でも、「23年間、東京都への転入が超過していましたが、昨年の夏以降は、流出が続いており、都会から地方への大きな人の流れを生み出しております」との発言でした。

 

マスコミ等も、コロナ危機をきっかけに、東京一極集中が是正され、地方創生ができるのでは?との見方もでていました。

 

人口流出のデータについて、月別をみると、東京の人口は、2020年5月~2021年2月まで、累計で約25,000人の流出超過となっています。しかし、流出先が同じ東京圏の埼玉・千葉・神奈川の3県では、同期間に約4,000人の流入超過となっています。

 

このことは、確かに、コロナ禍で東京からに転出が増えたものの、同じ東京圏の東京都の隣接県(埼玉・千葉・神奈川)への移動に留まり、東京圏外への移動は少なかったとの見方もあります。

 

加えて、地域間人口の移動は、毎年、3月~4月に集中し、前述の5月~2月の地域間人口移動に着眼しても、東京圏から人口流出が増加した根拠には不十分なデータです。

 

2021年4月27日に公表された「2021年3月期の人口移動」では、東京都は約2.8万人の流入超過、東京圏では約5.8万人の流入超過となっています。

 

以上、1年間を通して見ると、東京都・東京圏内への人口の流入超過は続いており、東京一極集中が一段と進んでいます。

 



では、どうして、コロナ禍でも、東京一極集中が進むのでしょうか?

 

国土交通省の「東京一極集中の是正方策について」の資料では、東京一極集中の要因について、次のとおりとしています。

 

(1) 修学・就職等のために20代前後の層が東京へ流入

 ① 大学等の東京圏の偏在、② 本社や大企業の東京への集中・東京一括採用、③ 賃金の高さ

 

(2) 魅力・利便性・自由度の高さ等を求めて東京へ流入

 ① 東京への憧れ、② レジャー・娯楽、③ 交通や日常生活の利便性の高さ、④ 地元の閉塞感・男女の役割分担意識への不満

  

(3) 一度東京に来ると、地方に移住しにくい環境

 ① 終身雇用制、② 地域限定や職務限定職員の希望と採用のギャップ、③ 子供の教育環境

 

以上の要因等により、東京一極集中が加速しているとの見方です。

 

東京一極集中を是正するには、上記の要因を解消しなければ、東京一極集中はさらなる加速が見込まれています。 

 


それでは、何をすれば、東京一極集中は、是正できるでしょうか?

 

(1) 地方で修学・就職できる環境

 

(2) 地方の生活環境の向上

 

(3) リモートでの業務取組を可能とする環境整備と、都心から地方で同じ業務移行する意識改革

 

東京圏への人口超過の年齢層は、下図のとおり、総数の91%が10代後半~20代の若者であり、進学や就職がその要因となっています。

 

このことは、逆に見ると、希望する進学先や就職先が東京圏外の地方にあれば、家賃が高く、かつ、日常生活が困難な東京圏に居住する必要はなくなるところです。

 

一方で、この「修学・就業」に伴う人口流入圧力は、スローガン的な「東京一極集中の是正」と謳っても、多くの経済主体が東京圏内に存在する限り、短期間での是正は、簡単には、実現できない、難しい課題と考えています。

 




【徒然のひとこと】 

東京一極集中は、災害リスクや高齢者の増加など、あらゆる面において、そのリスクが大きくなっています。

 

東京圏における災害リスクは、首都直下地震や南海トラフ巨大地震、利根川・荒川の大規模水害、東京湾の高潮氾濫など、人命に関わる大きな災害を考慮すれば、東京圏から圏外への転出は、より安全な場所に居住する選択が必要な時期でもあります。

 

また、超高齢化が加速する中、東京圏では、2020年に高齢者の割合が全国の26%(90万人)、2045年には全国の29%(392万人)と大きく増える見込です。

 

このことは、治療等が受けれない高齢者が増えることを意味しており、一方で、医療・介護の人材不足から若い世代の東京への流入を加速する可能性もあり、将来の東京一極集中の要因にもなりかねない事態となります。

 

以上のリスクを把握し、考慮すれば、このまま東京居住ではなく、住みやすい地方移住を真剣に検討する時期にあるのでは、ないでしょうか。

 

当事務所は、地方移住の支援を行っておりますので、お気軽に、ご相談ください。