リタイアする前の「ライフプラン」に、何が必要?


【年金支給、今、どうなってる?】


年金が定年の60歳から支給されなくなって、今年で丸3年が経ち、H29年4月からは4年目になります。

 

今年、定年退職する年齢の方は、報酬比例部分(特別支給の老齢厚生年金)(支給要件クリアの方のみ)が63歳から、定額部分の老齢基礎年金が65歳からの支給となります。

 

いわゆる3年間(支給開始年齢の誕生日の翌月まで)は、働いて収入を得なければ、無収入の状態です。


【人生の三大資金とは?】


「老後の資金設計」と「シニアライフワーク」について、皆さんは、どのように、お考えですか?

 

60歳を過ぎる頃には、子供も「経済的独立」し、教育費もかからなくなり、また、住宅ローンも完済され、人生の三大資金のうち、「教育資金」と「住宅資金」の2つについては、目処がついた方も少なくないでしょう。


多くの方の関心は、人生の三大資金の最後の一つである「老後資金」では、ないでしょうか?

 

老後資金設計は、50歳代がその時期と言われてますが、「終わり(寿命)がわからない」からこそ、「シニアライフ」のプランニングが難しいところです。

 

また、多くの方が、日々の仕事に追われて、「老後資金設計」について十分に熟慮されない状態で「60歳」を迎えている現状では、ないでしょうか。



【老後の資金設計は、どうする?】


「老後資金設計」には、いつまで続くかわからない「老後という長期の期間」における「収入」と「支出」を予測した「キャッシュフロー」分析が有効です。

 

老後の収入でみると、「退職金」と「年金」と「退職後の再任用等での給与等」が柱となります。


一方、老後の支出は、生活費や住宅費(持家であれば固定資産税・管理/修繕積立金、賃貸であれば家賃等)、水道光熱費・交際費・医療費など、日々の生活に関するコスト、これに加えて、住まいのリフォーム資金・車の維持費・耐久消費財の買替や子・孫の援助、旅行・趣味・娯楽費などが必要となります。 

(※ シニアライフには、意外と、お金が必要となります。)


【老後資金を貯えるには、どうする?】


この収入・支出について、年金支給を含んでも、リタイアした後は、高齢が進むにつれ、資金が必要の場面が多々あり、いずれマイナスに転じます。

その不足分を補うために、貯めておく、これが「老後資金」です。

 

しかし、現実には「人生の終わり」がわかりませんので、65歳・70歳・75歳・80歳・90歳と年齢別に収支を区分けして、「キャッシュフロー」を作成し、「老後資金」の点検が必要となります。


もし、60歳で完全リタイアすると、「無収入」状況が発生し、虎の子の「退職金」の貯えが「わずか数年」で消費し、貯えが激減、困窮する事例も少なくありません。

 

65歳から年金が支給開始されても、ほとんどの方が支出をカバーできる支給額にならず、加えて、支給額の減少や時期の引き上げも見越せば、65歳をリタイア期にするのは、とても大きなリスクがあります。


【老後資金の確保、どうする?】

私の持論は、60~65歳はもちろん、65歳を超えても、年金以外の「一定の収入」を得なければ、「老後資金の確保」は難しい状況と言わざる得ません。

 

再雇用の継続が65歳の年金支給開始時期で満了とする企業等が多い実態ですが、再雇用の収入が途絶えた後、次の収入の確保に向けて、60歳~65歳までの5年間こそ、最も重要な時期となります。


【60歳~65歳及び66歳~の重要ポイントは、これだ!】


この5年間と66歳~のポイントは、二つです。

 

一つ目のポイント:60歳~65歳の5年間は、資産を決して取り崩さない。5年間の収入(年金支給除く)で支出を賄う5年間とします。

 

二つ目のポイント:次の段階である66歳以降は、「老後資金の確保」のために、支出の6割程度をカバーする「一定の収入」(年金支給除く)を得ることです。

 

収入の方法は、66歳以上の雇用が期待できないため、前の5年間で準備したスキル等を活用して、起業も一つの選択肢です。(その時点で、健康であることが前提です)


【75歳で初の「リタイア宣言」をします】


75歳を迎えたときの、初の「リタイア宣言」をします。(もちろん余力のある方は、80歳、85歳が初リタイア宣言期となります。)

 

初リタイア宣言の時に、60歳時点の資産(不動産除く)の60%程度を残しているか否かが最大のポイントです。

 

この60%ラインを維持しておけば、90歳代までの15年~20年に必要な「老後資金」は、特別な状況が生じない限り、「年金収入」+「貯え(老後資金)」で、乗り切れるはずです。


ご関心の方は、60歳リタイア、65歳リタイア、70歳リタイア、75歳リタイアの各パターン別に「シニアワークプラン」「シニアライフプラン」を作成してみたら、いかがでしょうか?

 

当事務所は、最新のシニアライフの各データ解析により、一人ひとりの「シニアワークライフ」と「シニアライフプラン」のご支援をしております。

お気軽に、ご相談ください。



【徒然のひとこと】 

  日本老年学会が、H29年1月5日に、現在、65歳以上を高齢化としている定義について、75歳以上を高齢者とする定義変更し、65歳~74歳を「准高齢者」と提案したのは、報道のとおりです。

 

この提言は、医学的な見地から、65歳~74歳は、十分に社会参加ができる活力と意欲を備えた年齢層であると評価したとコメントがあります。

「シニアライフ」において、65歳でリタイアをしないことが、いずれ訪れる寿命まで、心身ともに、ベストの健康を選択できる道ではないでしょうか。